統合失調症について

出現の頻度

 遺伝についてははっきりしませんが、近親者では、発病率が高く、ドイツのルクセンブルガーによると、統合失調症の人の子供がかかる危険率は、16.4%、兄弟姉妹では10.8%、孫では3%、おい・めいでは1.8% で、一般の割合よりはるかに高くなっています。
 男女差はみられません。

発病しやすい年齢

 20歳代での発病が多く、妄想型では30歳代に発病するものも少なくありません。

症状

妄 想

 妄想とは、誤った考えを、根拠もないのに確信している状態です。説得したり、誤りを証明して見せても、その考えを変えることはできません。
 統合失調症では、被害妄想がよく見られます。誰かに見張られている、尾行されている、盗聴されている、自分の噂をされている、自分のことが放送されているといった内容のものです。
 天皇の子孫である、イエス・キリストの再来である、発明王であるといった誇大的な妄想もあります。
脳が腐っている、癌になっている、腸がとけているなどという身体に関する妄想もみられます。
 妄想に対して、説得したり、間違いを証明して見せても、何の効果もありません。どのような考えを持っているかを、よく理解することが大事です。抗精神病薬が効果があります。

考えがまとまらなくなる

 考え同士のつながりが悪くなり、何を言おうとしているのかが、わかりにくくなります。ひどくなると支離滅裂になり、何を言いたいのかさっぱり理解できなくなります。
 考えが急に中断され、突然何も言わなくなることもあります。

幻 覚

 私達は、外界のものを五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)で認識しています。五感を刺激するものがないのに、あるように知覚するのを幻覚と言います。
 聞こえるはずのないものが聞こえるのが、幻聴です。統合失調症の幻覚では、もっとも多いものです。非難したり、命令したりする声が聞こえてきたりします。複数の人が自分のことを話し合っているのが聞こえることもあります。幻聴と会話することもあり、誰かと話している感じの独り言を言います。幻聴から被害妄想が生じることがあります。
 見えるはずのないものが見えるのが、幻視です。統合失調症ではそんなに多くありません。
 ご飯が、青酸カリの味がするなどというのは、幻味です。
 身体を触られているというのは、幻触です。
 体感幻覚と言って、脳が腐って溶けている、顎の骨が崩れていくなどという場合もあります。

行動障害

 興奮して騒いだり、独り言を言ったり、おかしくもないのに笑ったり、あちこち歩き回ったりする事があります。

感情の動きが乏しくなる

 喜怒哀楽に乏しくなり、周囲に対して無関心になります。表情も乏しくなってきます。

意欲がなくなる

 やりたいという気が起きなくなり、一日中ごろごろして退屈を感じなくなります。

閉じこもりがちになる

 人間関係が少なくなり、自分の世界に閉じ込もって暮らします。家からほとんど出なくなったりします。

自分のことを自分でやっているという感じが無くなる

 自分の考えや行動は、普通は、自分がやっていると思っています。また、頭で考えたことは、しゃべらない限り、他人に漏れる心配はありません。統合失調症では、この点でも問題が出ることがあります。下記のようなことです。
 自分の考えが相手に分かってしまう(考想察知)・自分の考えが周囲に知れ渡っている(思考伝播)・考えが抜き取られる(思考奪取)・考えを入れられる(思考吹入)・自分の体験が他者によって操られている(させられ体験

仕事や学習能力の低下

 仕事や学習の能力は、発病前に比べてかなり低下します。仕事の能率が落ちたり、学校での成績が下がったりします。病状が落ち着いてきて仕事を探す時には、自分の状態にあったものを探した方がいいと思います。

病型

破瓜型
 20歳前後に徐々に発病します。活発だった人が、口数が少なくなり、閉じこもりがちになります。表情も乏しくなります。慢性の経過をたどります。 ですから、肺炎や風邪で寝ているときと同じように、病気として対処すべきです。病気ですから、自分を責めることはありません。治療を受けて、治るのを待てばよいのです。うつ病でどう対処してよいか迷った時には、体の病気で寝ているときにはどうするだろうかと考えて、判断すれば間違いが少ないと思います。

緊張型
 破瓜型と同じく、20歳前後に急激に発病します。興奮して騒いだり、逆に回りの働きかけにも全く反応しなくなったりします。
 病状は活発ですが、治りやすいのが特徴です。

妄想型
 30歳以後に発病することが多い型です。幻覚、妄想を主症状です。妄想は次第に発展していって、一つの妄想世界を構築することがあります。

残遺状態

 幻覚、妄想などの陽性症状が見られなくなり、感情鈍麻、意欲低下などの陰性症状が主になっている状態です。感情の動きが少なく、周囲に無関心で他人との交際も少なく、引きこもった生活をしがちになります。
 この状態に対する薬物の効果は、十分ではありません。作業療法、レクレーション療法などの精神科リハビリテーションが必要になります。当院では行っていません。ふさわしい病院や施設を紹介します。

経過

 良好な社会生活を送ることができる人から、入院生活を続けなければいけない人まであり、様々な経過をたどります。作業療法、レクレーション療法などの精神科リハビリテーションが必要になります。当院では行っていません。ふさわしい病院や施設を紹介します。

治療

 薬物療法が基本です。それに加えて、精神療法、作業療法、生活技能訓練、レクレーション療法などを行います。当院では、外来での薬物療法、精神療法を行います。

 最近は、副作用が少なく、陰性症状に対しても比較的効果のある抗精神病薬が開発されています。副作用の少ない薬を1種類のみ使用するのが理想です。しかし、それだけでは症状のコントロールが難しい場合もあります。

 服薬を中断すると再発することが多いので、薬は長期に飲み続けることをおすすめします。

Information

 
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予約制
水曜・日曜・祝日 休診

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